カヌレ〜フランス発祥のパン〜2019.11.01
カヌレはフランス、ボルドーの伝統菓子パン。
素朴なキャラメル色の見ために
洋酒の香りひろがるカヌレは、いっとき日本でもブームになりましたよね。
今回は、ボルドーが生んだ「カヌレ」のお話です。
ボルドーにはカヌレ専門店がある
フランス、ボルドーといえばワインですが
実は、カヌレ生誕の地でもありました。
ボルドーには、「本物」のカヌレがあるといいます。
それはBaillardran〜バイヤルドラン〜という名のお店のこと。ここは、カヌレ専門のお店でした。
真紅のカラーリングが、まるでアンテイーク店のよう。
洒落た店内には、カフェスペースがあって、ドリンクを頼むと小さなカヌレが、付いてくるんですよ。
かわいいビジュアルなので、女性なら通ってしまいそうですね。
店内には上質なバニラの香りが漂って、しあわせな気持ちになれました。
お持ち帰りの箱も、まさに「ボルドー」の色使い。キレイなビジュアルで高まりますよ。
ボルドーのワインと、カヌレ
この二つには、実は深い関係性があったのです。
ワイン醸造から生まれたカヌレ
カヌレとはフランス語で「溝をつけた」という意味。
実は、ワインから生まれたパンだったのです。
その昔、醸造中のワインの澱をとるために「コラージュ」という作業をしている時、大量の卵白を使っていました。
ワインの製造過程では使わない「卵黄」の部分を、どうにか使えないだろうか?という事で、思考を凝らして作られたスイーツが、カヌレだったのです。
16世紀、フランスの女子修道院で古くから作られていたという説が、有力なようです。
絶滅から、名物へ!カヌレの歴史
小さな型で焼くときに、蜜蝋〜みつろう〜を入れるので、カヌレが型から取り出しやすくなるのだそうですよ。また蜜のおかげで、キャラメリゼされた外側はカリッと香ばしく。中はしっとり、という食感があじわえるのだとか。
フランスの修道院では昔から、ハチを飼って、ハチミツや蜜蝋を作っていたそうです。そのため、ヨーロッパの教会にまつわる菓子パンは、ハチミツを使っているものが多いのだそうですよ。
実はこのカヌレ、世界大戦で絶滅しかけたという歴史がありました。
1980年代に、ボルドー市長となったシャバン・デルマスが
ボルドー名物として売り出そうと、企画をはじめたのです。市庁舎で開かれるレセプションパーテイーで、カヌレを推したりとした事が功を奏し、今ではフランスの名物とまで言われるほどになりました。
一度は絶滅しかけたという、カヌレ。
ボルドー市長の想いと熱により、絶滅から名物スイーツへと進化したのです。フランス、ボルドーへ旅をした時は、ぜひカヌレ専門店に足を伸ばしてみては、いかがでしょうか?
その洒落たおいしさと歴史を、ぜひ味わってみて下さいね♪
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