空海が伝来!蒸しパンの歴史〜中国発祥のパン〜2019.02.01
蒸しパンはその昔、小麦と水だけで作られていました。
中国から伝来した、「蒸餅〜チョンピン〜」。
これが蒸しパンの元祖と伝えられています。この「蒸餅」を中国から伝えたのが『空海』でした。今回は、深く長い歴史を秘めた蒸しパンの歴史に迫ります!
空海が日本に伝来!蒸しパンの元祖
時は804年7月6日、遣唐使として選ばれた「空海」が31才のとき、中国に渡りました。
彼は日本にいた時から天才的な語学力があったために、通訳がいらないほどペラペラに中国語が話せたそうです。すごいですね!
2年の在住ののち、日本に帰国するとたくさんの経典や曼荼羅、法具などを持ち帰りました。その中に、蒸しパンの元祖となる食べ物も入っていたのです。
はじめて見るふっくらとしたパンを見て、当時の日本人たちは「蒸餅〜チョンピン〜」という名をつけました。これが、現代の蒸しパンへと繋がっていくのです。
老麺とはなんぞ?
806年、空海は中国から蒸餅を持ちかえりました。
蒸餅とは、生地を自然発酵させて蒸しあげたパン。この「蒸す」という行為、実は東洋独特の製法なんだそうですよ。
時は流れ、中国から老麺を利用して作られた「包子」や「饅頭」も伝来してきます。「老麺」って、あまり聞いたことない名前ですよね?
老麺とは、中国の古い時代から使われている天然酵母のこと。饅頭をふくらませる素として使います。
この酵母、種の一部を残して培養するのが基本です。モノによっては、つぎたし、つぎたしで何百年、何千年と受け継がれてきた老麺もあるそうですよー。時を超えて食べられる酵母。なんだかドラマティックなお話ですね。
この老麺という酵母を駆使して、日本の蒸しパンも進化を遂げていくのです。
酒種から酒饅頭へ
時はすぎ、蒸しパンもバージョンアップしていきます。
日本での製法も、老麺をつかったものだけでなく、酒種をつかった蒸しパンが登場!この酒種酵母で、「酒まんじゅう」という蒸しパンも誕生するのです。
これは「日本最古の饅頭」とも言われていて、日本全国、各地の名産品にもなっていますよね。
酒饅頭は小麦粉に清酒あるいは、どぶろくもろみ、ふくらし粉を混ぜて皮に加工します。餡をくるんで蒸すと酒饅頭のできあがり。
日本に古くからある調理器「蒸篭」にかけて作ることができる、蒸しパン。今では栗やさつまいもだけでなく、抹茶、マンゴー、かぼちゃを混ぜて紡がれたおいしい蒸しパンもたくさん、ありますよね。
2008年以降、米粉の蒸しパンも開発されました。
米粉で作られた蒸しパンは、もちもちした食感が人気で、おいしいですよ。今でも進化し続ける、蒸しパン。すこし懐かしい味のあのパンを、改めて歴史を振りかえりながら、あじわってみたいと思いました。
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