カルツォーネ〜イタリア発祥のパン〜
  1. カルツォーネ〜イタリア発祥のパン〜

世界のパン図鑑

カルツォーネ〜イタリア発祥のパン〜2019.05.01

カルツォーネとは、イタリアが生んだ「包みピザ」のこと
または、イタリア風ホットサンドとも呼ばれています。

三日月型のピザは、片手でも食べられるのでアウトドアでも人気の逸品なんですよ♪今回は、イタリアの歴史を刻んだ「カルツォーネ」の特集です!

ストッキングという名のピザ

割ると中からアツアツのチーズが、中からとろ〜り。
食欲そそるこの揚げピザは、歩きながらでも食べられるように、片手で持って食べやすいオムレツのような形にデザインされていました。

本場イタリアでは、屋台などで気軽に買って食べることができますよ〜! 具材が包まれているので、中身のチーズが冷めにくく、再加熱しても味の鮮度が落ちにくいんですよ。おいしそうですね♪

揚げるとパンツェロッティ

中の具材は、ふつうのピザとほとんど一緒の材料によって紡がれています。
包み焼いたモノを、「カルツォーネ」
揚げたピザのことを「パンツェロッティ」と呼びます。

イタリア、マルケ州では小さなクッキーサイズの、甘いカルツォーネも存在するそうです。地方によって、いろんなバージョンがあるんですね。

三日月のカタチのおいしいピザ

「カルツォーネ」 は、イタリア語でストッキング、ズボン、靴下という意味がありました。食べ物に下着や靴下のネーミングをつけるなんて、日本人とは違ったセンスを感じますね。

屋台やスタンドで食べるときは、そのまま、かぶりつきましょう。
レストランなどで食べる際は、生地にナイフを入れて、とろ〜り溢れるチーズの波を楽しみながら、いただきます。どちらも、食欲をそそりますね♪

それは古代エジプトから始まった

さて、カルツォーネの元となった「ピザ」の起源を辿ってみましょう。

ピザのルーツを探っていくと、古代エジプトにまで繋がっていきます。
それは紀元前3000年頃のこと、メソポタミア文明から発生した、小麦粉を水で溶いた「パンの元祖」が、エジプトに伝来し、ピザが誕生しました。

この頃のピザは、丸く伸ばした生地を石釜に貼りつけて焼く、というスタイル。まさにピザの起源ですね。今から5000年前に誕生したこの石釜焼きピザは、世界各地に広がっていきました。この頃はまだ、原始的なピザだったのです。

ピザとは997年のイタリアの言葉

ピザの語源は、古代ローマにありました。
南イタリアのラテン語で記された文献に「ピザ」という言葉が歴史に残っていたのです。

今のピザの形に近い料理が作られたのは、16世紀のこと。小麦粉ベースの生地に、にんにく、ラード、塩などを加えて焼いたものが起源だという説が有力のようです。
この時代のピザにはまだ、トマトが使われていなかったのです。

トマトを乗せてピザになる

ピザが現代の形に近くなったのは、16世紀のこと
新大陸からトマトが輸入され、当時スペイン領だったナポリにてパンにトマトを乗せるとおいしい! というレシピが流行り、それがピザとなっていきました。

フランスの小説「三銃士」の中にも、「ピザはナポリの貧民が、冬に食べる唯一の食べ物」という描写が書かれていました。物語の中にも登場するほど、歴史にしっかりと刻まれていた逸品、ピザ。

やがてカルツォーネへと進化を遂げ、今のおいしい味へと受け継がれていったのでした。

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