バースバン〜イギリス発祥のパン〜2019.05.08
バースバンはイギリスのパン。
砂糖とバターを練り込み焼いた、まあるいパン。表面にはザラメとレーズンが飾られており、アフタヌーンティーにもよく合う、おいしいパンなのです。
今回は温泉の街バースで生まれた、バースバンの特集です!
温泉の街で誕生!バースバン
イギリス、ロンドン南西部にあるという「温泉の街」、バース。
今回特集のバース・バンは、この地で誕生しました。
バースには、紀元前1世紀頃に建てられたという、大浴場があります。その名も「ローマン・バス」。ローマの遺跡としては、最高の保存状態で、今も当時の息遣いを伝えているというのですから、驚きですね!
ちょっと映画「テルマエ・ロマエ」を思い出しました。
2千年以上も昔のローマ人が築きあげたという、ローマ時代の遺跡「ローマン・バス」。
モザイクでできた床や彫刻など、当時の芸術を今に伝えていました。夜はこの巨大温泉施設の回廊がライトアップされており、あたたかな灯りに照らされた温泉は、まるで幽玄の美。アートで、とても素敵な建築でした。
この地で生まれたというバースパン。さて、どんな味がするのでしょうか?
ザラメ感が最高にうまい!ジャリうま、イギリスパン
ふっくら丸いパンに、ザラメとレーズンがたっぷり。
ザラメは外側だけでなく、生地にも練りこまれていました。だから、食べるとスイートでおいしい〜♫
バターもしっかり使っているので、一個食べたらついついパクパク何個も食べたくなってしまいました。ひとくち頬張れば、ザラメのジャリジャリ感と、生地のふっくら感でしあわせに。シロップも表面に塗ってあるので、栄養価もありそうです。
このバース・バンの誕生させたのは、なんとお医者さん。
バースの温泉地へと療養にやってきた患者さんのために、このパンは生まれたのでした。
リウマチ患者のためにと開発されたパンだった
温泉の湧きでる保養地として、古から名を馳せていたバースのローマン・バス。ここは温泉へと病を癒しにやってくる患者さんが、たくさん訪れる場所でもありました。
この地で医者として働いていた、ウィリアム・オリバー(1695-1764)。彼こそが、今回の特集「バース・バン」の生みの親だったのです。
彼は自分が担当していたリウマチ患者のために、消化器官を整えると伝えられていた「キャラウェイシード」を使った、栄養たっぷりのパンを考案しました。当時はレーズンではなく、キャラウェイシードという小さな種を、何度もあま〜いシロップに漬け込み、今とは違うスイートなおいしいバース・バンを、患者のために作っていたのでした。
やがて時は経ち、キャラウェイシードからドライフルーツへとトッピングも変わっていきます。
劇的に変化!ロンドン万博
1851年のロンドン万博。
この時、大量生産するために、安い材料で作られたバース・バンが開発されたのです。バターの代わりにラードを。キャラウェイシードの代わりに、ドライフルーツを使ったパンが誕生しました。
これが、まさかの大ヒット!!
きっと、おいしかったのでしょう。記録によると、5ヵ月で934,691個も売り上げたというからビックリですね。バース・バンはイギリスを代表するパンの一つとして、今や君臨しています。
バース・バンはひとりの患者を想う気持ちから生まれた、優しいパンなのでした。
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