パンの知識・教養

文豪が愛したパンの話2018.07.15

『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こころ』など、数々の名作をこの世に送りだし、文豪として歴史に名を残した夏目漱石。

彼は「超」がつくほどの甘党で、パンが好きだったそうですよ。作中にもパンが登場し、当時の食生活が生き生きと描かれていました。
今回は知れば楽しい!文豪が愛したパンの特集です!

夏目漱石は甘党!イギリスパンが好き

夏目漱石は、パン好きの文豪。
2年間のイギリス留学経験がある漱石は、洋食が大好物。スイーツが大好きで、トーストに白砂糖をどっさりトッピングして食べていたそうです。とてつもない甘党ですね〜。

その経験からなのか、パンの描写が生き生きと描かれた小説がありました。
『吾輩は猫である』です。
なんと作中に、食パンに砂糖をかけて食べるというシーンが登場しますよ。以下、作中の文章です。

我輩は猫である、作中の文章

・主人公である黒猫の主人、珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)の朝食についてのエピソード

毎朝主人の食う麺麭(パン)の幾分に、砂糖をつけて食うのが例であるが、この日はちょうど砂糖壺が卓の上に置かれて匙(さじ)さえ添えてあった。


・黒猫の主人が、妻に問い詰められているシーン

それでもあなたが御飯を召し上らんで麺麭(パン)を御食べになったり、ジャムを御舐めになるものですから


なるほど本当に、『吾輩は猫である』という小説の中に、パンが登場していました。
読んでいると、夏目漱石がロンドンの留学経験から洋食が好きであること。ものすごい甘党であること。この時代、パンに砂糖を盛って食べることが不思議ではなかった、という時代背景が垣間みえたりで、なかなかに面白かったです。

太宰治が愛したステッキパン

『走れメロス』、『人間失格』、『斜陽』などで名を馳せた文豪、太宰治。
彼にも、愛したパンがありました。
その名もステッキパン。

文字どおり、ステッキの形をしていますが立派なパン。
荻窪のパン屋「小沢パン」で販売されており、当時とてもお気に入りだったそうです。

太宰の無二の親友『伊馬春部』作の芝居の脚本にも、『太宰治』が役として登場し、
ステッキパンを食べるシーンがありました。
それほどに彼は、そのパンに魅了されていたんですね。


いかがでしたでしょうか?
文豪が愛したパンは、それぞれに個性的でした。

「食と恋愛の好みは文章にでる」と、聞きます。
それを踏まえて読んでみると、文豪の違う一面が垣間みれて面白いですよ。オススメの読み方でした。

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