天然酵母とイーストで作るパンの特徴
  1. 天然酵母とイーストで作るパンの特徴

パンの知識・教養

天然酵母とイーストで作るパンの特徴2017.01.21

パンを作るには酵母が必要になります。
酵母とは栄養体が単細胞性を示す真菌類の総称ですが、パン作りに適したものをパン酵母、ビールに適したビール酵母、日本酒に適したものを麹として使っています。

なぜ酵母が必要か

パン作りでは、酵母が発酵するときに排出する炭酸ガスを利用して、生地を膨らましていきます。主にパン作りに使用する酵母は『イースト』というもので、パンに適した単種の微生物を工業的に純粋培養したものになります。またイーストに続いてよく使用されるのが『天然酵母』です。

天然酵母とは、果物(ぶどう、苺、桃、梨、パイナップル、バナナなど)や穀物(玄米、麹、小麦)などのまわりに付着する酵母菌を採取し、自然に発酵させた酵母のことで、イーストに比べると発酵する力が弱く、パンができあがるまでに時間がかかります。また、イーストのように単一種の酵母でなく、いろいろな種類の酵母が混在していて、それぞれの酵母の出すアルコールと、もともと付着していた果実や穀物のフレーバーがパンに独自の味と香りを付けているのです。

イーストの特徴

イーストは19世紀にフランス人生物学者ルイ・パスツールがパン酵母の研究を進めたことがきっかけです。
パンに使われているイーストは、生イーストとドライイーストの2つに分けられます。
生イーストは発酵力が強く安定しているので、通常、大量生産されたパンに使われています。
ドライイーストはイースト菌を乾燥させたもので、時間をかけて、イースト菌が発酵することによって炭酸ガスを発生させて生地を膨らませます。膨らむ力はベーキングパウダーよりも強いので、弾力のある生地を作りたいときに使われます。

天然酵母の特徴

天然酵母は小麦粉などの穀物粉と水を加えて培養を繰り返し、約2週間ほどかけて元種を作ります。イーストはこの工程を省いた人工的な酵母になりますが、天然酵母は発酵させるまで時間をかける分、パンが熟成して風味や味わいが引き出されるのです。

天然酵母とイーストで作るパン

パンに適した酵母を化学的に作ったものがイーストなのですが、人工だからと言って決して悪いものではありません。イーストで早く発酵させて焼くことで、ふんわり柔らかなパンを作るために食パンなどイーストで作る方が適したパンもあります。
ハード系のパンなど、じっくり発酵させたいパンについては、すぐに発酵してしまうイーストではなく、じっくりジワジワ発酵させられる天然酵母を選んでいます。つまり、作るパンによって天然酵母とイーストを使い分けているので、イーストが人工だから悪いというわけではありませんし、逆に天然酵母が天然なのでヘルシー要素が強いということでもありません。

カメリヤの作るパン

カメリヤ赤池店では、独自の製法で天然酵母、イーストそれぞれで作ったパンを提供しています。
カメリヤ独自の味わいをぜひお召し上がりください。

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