ライ麦パン特集vol1.〜ドイツ発祥のパン〜
  1. ライ麦パン特集vol1.〜ドイツ発祥のパン〜

世界のパン図鑑

ライ麦パン特集vol1.〜ドイツ発祥のパン〜2017.05.11

何かと健康志向の近年では、スーパーでも白い食パンよりライ麦パンを手に取る人が増えているのではないでしょうか?今回はライ麦パンについてお伝えしたいと思います。

ライ麦パンが黒っぽいのはなぜ?

ライ麦パンのライとは英語のrye=ライ麦のことです。小麦から作ったパンより黒っぽいので、黒パンとも呼ばれています。黒っぽくなるのは、全粒粉や皮、胚芽を含む精製度の低い粉を使うためです。全粒粉や精製度の低い粉で作るパンは、精製度の高い粉のパンよりも栄養価が高く、麦の旨味を味わうことができます。ライ麦パンの中には小麦を混ぜたパンもあり、小麦を混ぜると色が薄く、柔らかくなります。自分好みのライ麦パンを見つけたくなりますね。

ドイツのパン製品

ドイツでは、パン製品の穀物使用の割合がパンの名前で分かるようになっています。具体的には下記のとおりです。

ライ麦90%以上・・・ロッゲンブロート
ライ麦50%以上90%未満・・・ロッゲンミッシュブロート
ライ麦50%、小麦50%・・・ミッシュブロート
小麦50%以上90%未満・・・ヴァイツェンミッシュブロート
小麦90%以上・・・ヴァイツェンブロート

ドイツでパンを買うときは参考にしてみてください。

ライ麦パンの特徴

ライ麦パンは、小麦のパンよりも密度が高く、噛みごたえや食べごたえを感じます。それはなぜでしょうか?
小麦から作るパンは発酵させるためにイースト菌がよく使われます。一方、ライ麦パンはイースト菌ではなくサワードウ(サワー種)というパン種を使います。ライ麦パンの原料になるライ麦粉は、小麦粉のようにグルテンを形成しないので、弾力や膨らみが少ないのが特徴です。そこにこのサワードウというサワー種を加えると、ライ麦パン特有の酸味と麦の旨味や香りが生まれ、食べ応えのある腹持ちがいいライ麦パンが出来上がります。ライ麦パンは、噛めば噛むほど味わいが口に広がります。それに加え、ライ麦パンは、小麦のパンよりもビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれています。同じパンを食べるなら体においしいパンを選びたくなりますね。

ライ麦パンのおいしさを引き出すサワードウ

ライ麦パンに欠かせないサワードウは、乳酸菌と酵母を含んでいるので、日持ちをよくさせる効果があります。また、このサワードウに含まれる酵母と乳酸菌の種類や比率は、土地の気温や、湿度、標高といった環境によって変化します。同じサワードウを使っても出来上がるパンの風味は土地によって変化するので、店ごとに個性的な風味を持つパンだと言えます。そうと分かれば、ライ麦パン巡りに出かけたくなりますね。

ライ麦パンの食べ方

ライ麦は、小麦、大麦に次いで生産量の多い麦で、小麦の栽培に適さない場所や標高地帯で育つので、ドイツや北欧、ロシア、スイスの山岳地方で広く栽培され、各地で独特のパンが生まれました。ドイツでは、ライ麦の比率が高いほど薄くスライスし、トーストせずに食べることが多いそう。その上にバターやマーガリン、さらにチーズやソーセージをのせたり、ジャムをのせて食べます。また、ライ麦粉が多く使われているパンは、出来上がってすぐよりも数日経ってから食べる方がおいしく食べられます。噛めば噛むほど味があり、時間が経つほどおいしくなるライ麦パンは、ゆっくり時間をかけて味わうべきパンなのかもしれませんね。

いかがでしたでしょうか?
作り手によって味わいが違うライ麦パン。おいしいライ麦パンを探しに出かけたくなります。

休日に好みのライ麦パンをゆっくり味わってみてはいかがでしょうか?

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