世界のパン図鑑

甘食〜日本発祥のパン〜2019.01.08

甘食を知っていますか?
東日本では、とてもメジャーなパンなのですが、西日本ではレアな存在。そのため、この漢字が読めない方もいらっしゃるかもしれません。

甘食と書いて「あましょく」と読みます。
今回は、明治に誕生したというレトロで素朴なパン、甘食の特集です!

ホットミルクと甘食と

甘食は、ビスケットとスポンジケーキの中間みたいな、スイーツパン。
モソモソした口あたりなので、口の中の水分は全部持っていかれます。ですから冬はホットミルクと一緒にあじわうと、おいしいと思いますよ。

5、6個のセット売りで販売されているパターンが多く、関東などではおやつの一つとして親しまれている存在なのです。

甘食は文明開化とともに

名古屋では激レアなパン、「甘食」。
外国から輸入されることが多いパンの中では、めずらしく漢字のネーミングがついています。

形は上から見ると丸く、横から見ると富士山のようなデザイン。発祥は、「明治時代に誕生した説」が有力なようですよ。
明治といえば、文明開化の時代ですよね!

初めて日本でビスケットが作られたのも、明治8年でした。
風月堂の米津松造氏が、日本ではじめてビスケットを作ったという記録が残っています。甘食は、このビスケットの影響を受けて誕生しました。


生まれは東京!清新堂

時は明治27年。
甘食は東京、東京市芝区田村町に店をかまえていたという「清新堂」というパン屋で、誕生しました。

清新堂が発売した「イカリ印のまき甘食」というパンが、その元祖だと伝えられています。そういわれれば、どこかレトロ懐かしい東京、下町の味がしそうですよね。

明治の頃はなんと、パン作りに半日かかっていたのだとか。
なんと長時間でしょう!当時はそうとう大変な労力が、かかっていたと思われます。甘食は、この長時間かかるパンの工程を短時間にするために、あみだされたスイーツだという手記もありました。

愛知県では、ほとんど見かけない。
幻のアイテム、甘食。

けれど、どこか懐かしい雰囲気があるのは、この丸いフォルムと下町感のあるデザインでしょうか?いつかどこかで見かけたら、食べてみたいパンですね

カメリア亜紋度ラスク bnr

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