マナラ〜フランス発祥のパン〜2018.12.10
聖ニコラウスという人を、知っていますか?
サンタクロースの起源となったという、トルコに実在した人物のことです。
フランス、アルザス地方では、12/6に「もう一つのクリスマス」と呼ばれる日がありました。それが「聖ニコラウスの日」です。今回は、聖ニコラウスの日に食べるという伝統的なパン、マナラの特集です。
ダークこわい!マナラの伝説
サンタの元となった、聖ニコラウスは「子どもの守護の聖人」とも伝えられています。マナラの元となった伝説に、こんなお話がありました。
ある飢饉の年、落ち葉拾いに出かけた三人の子どもたちが、肉屋に一晩の宿を求めました。肉屋の夫婦は子どもたちを殺し、樽の中に放りこむと塩漬けにしました。もうダークすぎてコメントに困る感じでした。もう、こわいです。
外国の逸話はけっこうダークな伝承が多いですね。しかし、この話にはまだ、続きがあったのです。
マナラは、男の子という意味のパン
7年後のある日、聖ニコラウスが肉屋を通りがかり、食べ物を求めて立ち寄りました。肉屋はハムと子牛の肉料理をご馳走すると、聖ニコラウスは静かに告げました。
『七年前のあの塩漬けの肉が欲しい』
驚愕した肉屋は、みずからの罪を詫び、神に許しを乞いました。すると、聖ニコラウスは塩漬けの樽に指を三本のせたのです。そのとき、奇跡がおこりました。樽の中の子どもたちが、まるで今まで眠っていたかのように、アクビをしながら起きてきたのです。
この童話めいたエピソードから「マナラ」というパンが誕生しました。
マナラは男の子、という意味のパン。フランス、アルザス地方では今でもこの伝承から、人の形がデザインされたパンを食べるという風習があります。
マナラはココアと一緒に食べる
伝承から「子供の守護聖人」と呼ばれるようになった、聖ニコラウス。
今でもフランス、アルザス地方では、12/6の聖ニコラウスの日になると、マナラを食べるという伝統があります。ココアと一緒に召しあがるのだそうですよ。
ブリオッシュ生地で、人の形にデザインして焼くという、このパン。チョコチップ入りや、シナモン風味などいろんなバリエーションがあって楽しいですよ。
街はイルミで煌めき、クリスマスも近づいてきた12月。この時期に食べたいフランスのパン、マナラ。「もう一つのクリスマス」を彩る、伝統的なパンのお話でした。
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