インド発祥のパン〜チャパティ〜2017.09.28
インドの主食は、ナンではありません。
よく誤解されるのですが、ナンはタンドールオーブンという土釜で焼きます。インドの一般家庭では、土釜を持っていない家が多いのです。では、インドの人は普段、何を食べているのでしょうか?
実はチャパティか、ライスを食べているのです。
今回は北インドの主食、「チャパティ」の特集です!
チャパティの源流、メソポタミアの古代パン
大切なことなので、二度書きますね。
「インドの人は、毎日ナンを食べません」。
ナンは元々、北インドのパンジャーブ地方で食べられていた宮廷料理です。また、精粉した小麦粉が贅沢品であるため、日常的に食べることは少ないと聞きます。
インド人が日常的に食べているのは、チャパティです。
他にパキスタン、バングラデシュなどでもよく食べられています。
原料は全粒粉か、小麦からふすまを5%くらい除いた「アタ」と呼ばれる粉で作ります。生地は無発酵ですが、ジャンルとしては「パン」に入ります。無発酵パンの歴史はかなり古く、紀元前4千年前のメソポタミアまで遡ります。
この「古代パン」が、チャパティに似ていたという説があるのです。
薄くのばして焼く「平焼きパン」の代表選手として、今もその味を保ち続けているのです。
チャパティで花嫁修行
チャパティ作りは、インドの婚活に欠かせない必修科目。
花嫁修行として、チャパティを焼きます。
インドに住む女の子は、年頃になるとお母さんに、チャパティの作り方を教わります。よく「チャパティが上手く焼けないと、お嫁にいけない」などと言われるほど、重要なことなのです。
主婦は1回の食事に、約30枚のチャパティを焼きます。
全粒粉と水、塩を使って作られたチャパティの生地を、フライパンで焼いて作ります。薄く丸くきれいに焼ける女性のことを「良い妻」と称されますので、インドではとても女子力の高いアイテムなんですね。
チャパティの魅力
遊牧民の食事にも適しているという、チャパティ。
見た目はクレープに似ており、カレーによく合います。
それでは、チャパティの魅力をザックリお教えしましょう!
1、1枚約10円 安い!
チャパティ最大の魅力は、なんといっても安いこと。
1枚5ルピー(約10円)程度で売っています。材料が水と全粒粉だけなので、とってもリーズナブル。ちなみに、ナンはチャパティの数倍以上の値段がしますよ。
2、アッサリおいしい味が魅力
インドは灼熱の国。暑い気温の中で食べたいものといえば「アッサリ、サッパリ系」の食事でしょう。チャパティは油分がなく、シンプルでサッパリとしています。インドという土地に、とても馴染む味なのです。
3、当たり外れのない、おいしさ!
チャパティは、水、塩、全粒粉を焼くだけなので、どこで食べてもだいたい同じ味です。つまり「激ウマ!」はないけど、「激烈にマズイ」という事もありません。
毎日食べるのには適していますよね。またインドは手で食べる風習があり、正しい食事方法として浸透しているので、手でちぎって食べやすいチャパティは、とてもインド文化に適しているといえるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
インド現地の味、チャパティ。
日本ではカレーにナンという組み合わせがポピュラーですが、たまにはチャパティを食べて、本格インド文化の味を、楽しんでみてくださいね。
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