パンの誕生から普及まで歴史ストーリー2016.12.19
日本で初めてパンが生産されたのは19世紀半ばに軍用携帯食糧用として開発されたのがきっかけでした。
日本の歴史から見れば最近のように思えますが、世界的に見ればパンの歴史はとても長いのです。
誕生は8,000年前
パンが初めて作られたのは今から約7,000~8,000年前の古代メソポタミアで、小麦粉を水でこね、焼いただけのものを食べていました。
その後、発酵する技術を覚えるようになりパンが食べ物として位置付けられるようになりました。当時のパンのイメージに最も近いとされているのが中央アジアのパンを代表するナンとされています。
そこから次第に中央アジアから西アジアに小麦を栽培する技術が継承されていったのです。
パン作りの最先端だった古代エジプトや古代ギリシャでは腕のいいパン職人があちこちで名を馳せて、ある職人はブドウ液から作られたパン種も使われるようになりました。いわゆる現在の『天然酵母』製法ですよね。天然酵母は古代からの製法として用いられてきたのです。
パンの大量生産
腕利きのパン職人が世界のあちこちに渡り歩き、パンはヨーロッパからアジア、アフリカへも伝えられ、世界各地で主食として取り入れられるようになりました。このころは紀元前400年頃にあたり日本は弥生時代で、古墳時代がちょうど始まった時期です。ちなみに中国では漫画キングダムでも有名な秦王政が中国を統一した時期でもあります。
当時の日本の主食は玄米で、魚介類やゴボウなどおかずに食事をとってました。これだけ見ても、日本人は外国人とは異なるものを食べて生き永らえてきたことがわかります。
ナショナルブレッドの時代
10世紀頃から国家規模でナショナルブレッドの意識が生まれてきます。フランスではクロワッサン、ドイツではライ麦パンなど「私の国のパンはこれです」というものが発展していきます。14世紀には各国がパンの研究所を設けるなど、パン作りに競争意識まで根付いてきました。
16世紀半ばに初めてポルトガル人からパンが持ち込まれますが、米を主食にしていた日本人にとっては、パサパサで全く美味しく感じなかったそうです。むしろ同時期に到来した火縄銃の方が注目を集めたのです。
日本でも製造
19世紀半ばにアヘン戦争で中国がイギリスに敗れた一報を聞いた日本は、先々の対戦に向けた軍用携帯食糧の開発としてパンを採用しました。火を起こす必要はなく、消化も良く、保存性・携帯性にも優れている「兵糧パン」と呼ばれるパンを提案し、国を挙げてパンの製造が始まりました。
結局イギリスと戦争になることはなかったのですが、その約20年後に江戸幕府が倒れ大量の武士が失業に追い込まれてしまいました。
そこで同じく失業者だった木村安兵衛がパン作りに目をつけ、アンパンを開発します。日本人に食べやすいパンの発明によって、アンパンの美味しさは瞬く間に広がり、明治天皇から太鼓判を押されるまでになりました。
日本全国的に広がる
明治天皇のお気に召したことから、あんパンは多くの人に認知されることとなり、その後全国的に一般庶民へと広がっていきました。そして日本人がアンパンだけでなく、
世界各国のパンに興味を持つようになりました。
日本にパンが到来して150年。
そしてこの先もパンは形を変えて進化を遂げていくでしょう。
パンの誕生から普及まで歴史ストーリーをお届けしました。
お読みいただきありがとうございました。
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