日本発祥のパン〜コーンパン〜
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世界のパン図鑑

日本発祥のパン〜コーンパン〜2018.02.26

コーンパンは静岡の西武百貨店で、誕生しました。
知られざる歴史を秘めたこのパンは、その誕生から40年を数えます。今回は、コーンパン発祥の特集です!

フランス釜でヒット商品を!

コーンパンは、創業110年の老舗のパン屋さん
「ドンク」から生まれました。
今から40年前、西武百貨店にオープンし多お店には、フランスパン専用の釜しかありませんでした。しかし、フランスパンだけではとても店は回りません。
このフランス釜を使って、ヒット商品を生み出そうと試行錯誤したのが、のちにドンクの技術責任者となる「仁瓶利夫」さんでした。

そうだ、コーン入れよう!

当時はまだ、入社間もない新米店長だった仁瓶さん。
元は青山のドンクで働いていました。
青山店から静岡西武に移動となった時、引き継いで作られていたパンの中に「オレンジブレッド」がありました。このオレンジブレッドをモデルとして、ふと思いついたのです。
「そうだ、コーンを入れてみよう」
「コーン缶の実も、シロップも生かすパンにしよう」

おいしいコーンパン、誕生!

そうして優しいあじわいのフランスパンを、フランスパン専用窯でスチームをかけて焼き上げました。たっぷりコーンのシロップも使いきった、新しい味です。
きつね色に焼きあがったパンは、手でさっくりと割れるほどに柔らかく、おいしい〜コーンパンが誕生しました! そうして、発売と同時に着々とファンが増えていきました。

銀座への転勤命令

静岡で誕生したコーンパン。一番売れた時期には、一日100キログラムの粉を仕込んだといいます。数でいうと小サイズなら、3000個。爆発的なヒット商品になりました。
そんなある時、仁瓶さんに転勤命令がおりました。銀座三越・ドンクへの栄転です。

それは目玉商品に

仁瓶はここにコーンパンを並べることはためらっていました。しかし、なかなか売り上げが目標までいかず、悩んでいた時、元上司に「コーンパンを作ってみたらどうか?」とすすめられました。
ためしに一日一回だけ焼いて並べたみたことろ、銀座にコーンパンのファンが生まれたのです。一日二百数十個。おやつにも、食事にもいいし、食べ飽きない味ということで、だんだんお店の目玉商品になっていきました。

コーンパンは続けてください!

のちの店長もこのレシピを引き継ぐと、焼き上げ回数も一日4回、1000個の製造ペースになりました。売り上げも上々!
そんなとき、銀座三越の全面改装にともない、三越ドンクが三越ジョアンに変わるときが来たのです。
当時、ドンクの看板商品だったコーンパンは「ジョアン」になったら、なくなるメニューだと思っていました。ところが……
「コーンパンは続けてください」
三越からの声がかかりました。
これにより、銀座ジョアンになってもコーンパンは大ヒット商品となりました。1日2回しか焼かないせいもあって、銀座ジョアンにはコーンパンを求める人の列が名物となりました。こうして、コーンパンは全国的な大ヒット商品へと成長したのです。

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