グリッシーニ〜イタリア発祥のパン〜2017.06.21
グリッシーニとは、14世紀イタリアで生まれたパンのことです。
パンというよりは「大きいプリッツ」のような形をしています。あまりパン屋では見かけないのですが、カリカリで塩味がきいて香ばしく、ちょっとしたおやつにもお酒にも合う、とてもおいしい食べ物です。
今回はこのステックタイプの細長いパン、グリッシーニについてお話をいたしましょう。
ナポレオンが愛したグリッシーニ
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あまりメジャーなイメージのない、グリッシーニ。
実は「フランスの皇帝ナポレオンが愛したパン」として有名なのです。彼はグリッシーニを「小さいトリノの棒」と呼び、好んで食べていたという記録がありました。
なんでも「グリッシーニを食べると潰瘍の調子がよくなる」といって、わざわざ皇軍の飛脚を使い、トリノから取り寄せていたほどハマっていたそうですよ。
今はイタリア、トリノのレストランに行くと、テーブルにはそのまま、ともに置かれているのをよく目にすると聞きます。このグリッシーニ、イタリア料理では食前にワインと一緒にいただく、お酒のおつまみとしてメジャーな食べ物なのです。
グリッシーニの正式な食べ方
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最近はカジュアルなレストランでも見かけるようになったという、このグリッシーニ。
ポッキーのような外見に、クラッカーのような塩味なので普通に考えると「ポリポリと頭からかぶりついて食べる」イメージがあります。正式な食べ方は、どうなのでしょうか?こちらです。
【正式な食べ方】
あくまでもグリッシーニは「パン」なので、適当な長さに短く折って食べるのが正式な方法
だそうです。折る時は素手でかまわないのだとか。
気軽に食べられるけれど、やっぱりお菓子ではなく「パン」の部類なのですね。
また、生ハムが巻きついているバージョンもありますが、そちらも手で適当な長さに折って食べるのが、正式なマナーだそうです。お洒落なイタリアレストランに行く時は、ポリポリ長いまま食べないように注意しましょうね。
それは歴史を変えたパン
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時は17世紀後半、イタリアのお話。
トリノを治めるサボイア家の跡取り、ヴィットーリオ・アメデオ2世は、生まれながらに病弱でした。9歳でサボイア公爵として出世したものの、いぜん体は病弱なまま。困った宮廷医は宮廷のパン屋に「消化がよく、繊維質をたくさん含むパンを作らせて、よい食事療法はできないだろうか?」と提案しました。この時「アントニオ・ブルネロ」という、お抱えパン職人が作ったいわば病人食が、グリッシーニの起源だといわれいています。
元は病人食だったなんて、驚きですね!
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このグリッシーニ、瞬く間に人気に火がついて、ヨーロッパ中の宮廷、王室に広まりました。
病弱であったサボイア家の長男アメデオ2世は、やがて波乱の世を治める
「サボイアの狼」と言われるまでに成長しました。
少年時代、病気がちだった体はどこにいったのでしょう?
彼はその後、シチリアとサルデニアを交換し、サルデニア王国を建国する、最初の「国王」となるのです。
その人生の背景には、宮廷パン職人が彼のためにつくった「グリッシーニ」の存在がありました。
グリッシーニは歴史を変えたパン、といっても過言ではない食べ物ですね。
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